2008/01/20

[盤評] 未映子 / 頭の中と世界の結婚

頭の中と世界の結婚
頭の中と世界の結婚
posted with amazlet on 08.01.20
未映子 木村玲 佐藤研二
ビクターエンタテインメント (2005/09/22)
売り上げランキング: 210


2005年の作品。


ジャンルはPop。


ご存じ、

先日芥川賞に決まった作家

川上未映子さんの

CDです。


なんだか

このCDも大人気のようで、

Amazonでもランキングが

かなり上位になっています。


CDを追加生産

というニュースもあり、

なかなか手に入らないようですが、

行きつけのレンタル屋さんに行ったら

この作品がおいてあったので、

半ば衝動的に借りてきました。


当初は「壊滅的」というほど

売れなかったそうですが、

意外と(といっては失礼かもしれませんが)

内容は悪くないです。


全体的にピアノが多めの、

穏やかな感じの曲調ながら、

不協和音を使った

前衛的な音があったり、

エコーを多用した

幻想的な感じがあったりと

なかなかおもしろい作品に

なっています。


何となく

以前ご紹介した

石橋英子さんの作品


イメージが近いような

気がします

(たとえがマイナーですみません)。


積極的におすすめする、

というほどではありませんが、

少なくとも

聴いて損はない

1枚です。


★★★☆☆

2008/01/17

[盤評] airdrop / 育てよ、私

no image
育てよ、私
posted with amazlet on 08.01.17
airdrop
インディーズ・メーカー (2007/11/21)
売り上げランキング: 29289


2007年の作品。


ジャンルはPop。


昨日ご紹介したairdropの、

2ヶ月前に発表されたばかりの2ndです。


前作では

打ち込みっぽい音が

目立っていたのですが、

今作では

Bass、Guitar、Drumsのそれぞれの音が

しっかり個性を持って出ていて、

相変わらず絶妙な荒木さんのキーボードと

少し上手くなった大枝さんのヴォーカルとが相まって、

音が格段に良くなっています。


楽曲としても

レベルは上がっているのですが、

ただ何となく

大胆さがなくなってしまった

というか、

これはっ!

と思える曲、インパクトのある曲が

少なくなってしまった気がします。


良質であることに違いはないし、

タイトル曲「育てよ、私」の

未来に出会う大切な人

どうかこの毎日を頑張っていてください


あなたに出会うまでの毎日を

私も頑張ろうと思います


という部分をはじめ、

歌詞の世界もとても良いだけに

やや残念です。


とはいえ、

まだまだ聴き込みが足りないのも事実。


かみ砕いていくうちに

だんだんとその良さが

わかってくるのかもしれません。


★★★☆☆

2008/01/16

[盤評] airdrop / drops

no image
drops
posted with amazlet on 08.01.16
airdrop
インディーズ・メーカー (2005/06/22)
売り上げランキング: 78024


2005年の作品。


って、もう3年前かぁ。


ジャンルはPop。


東京を中心に活動している、

ヴォーカルの大枝さんと

キーボードの荒木さんの

男女ユニット、

airdropの1stです。


その昔、

ビンジョウバカネのライブを見に行った時に

対バンされていて生で聴く機会があり、

その場では結局CDも買わなかったのに

後日すごく気になって

towerrecordで買ってしまったCDです。


カフェなどでもよくライブを行っているようですが、

ホントにそういう雰囲気にぴったりの

良質なPops。


柔らかで、

良い意味で主張しすぎない音で、

何度聴いても飽きがこない、

希有な作品です。


ジワリジワリと

良さが伝わってくる

一枚です。


★★★★★



ちなみに、

お二人ともBlogを書かれているので、

よろしければそちらもどうぞ。


airdropの雰囲気が

伝わってきますよ。


  大枝さんのBlog : もぐもぐ手帳

  荒木さんのBlog : Araki-Mail

2008/01/14

[盤評] イツカノオト / イツカノオト

イツカノオト
イツカノオト
posted with amazlet on 08.01.14
イツカノオト
ドリームタイムエンタテインメント (2007/03/28)
売り上げランキング: 98941


2007年の作品。


ジャンルはPop。


KAB.も参加しており、

昨年活動を停止したバンドの

アルバムです。


そのほかのメンバーは、

コバヤシヒロシ、

西川進、

深澤秀行という

実力派。


それぞれが

それぞれの個性を出していて、

曲によってはKAB.っぽいものもあり、

アンビエントな曲もあったりと

新鮮な感じです。


ただ、

さすがに実力派の集まりだけあって、

どの曲も完成度が高い。


バンドの構成が

ヴォーカル×2、

ギター、

DJ

と少し変わっていることもあり、

なかなかおもしろい作品に

仕上がっていると思います。


あと、

西川さんのギターは

一聴の価値ありかと。


★★★★☆

[盤評] Bump of Chicken / Orbital Period

orbital period
orbital period
posted with amazlet on 08.01.14
BUMP OF CHICKEN 藤原基央
TOY'S FACTORY Inc.(VAP)(M) (2007/12/19)
売り上げランキング: 22


2007年の作品。


ジャンルはGuitar Pop。


ご存じBump of Chickenの

最新作です。


あえて、書きます。


正直、今ひとつ。


Amazonのレビューでも

大部分が絶賛、

一部が期待はずれ、

という感じですが、

自分は後者。


確かに

シングル曲も多数収録されているし、

全体的にレベルは高いと思うのですが、

逆にそのために

個々の曲の印象が薄い。


また、そのためかどうかはわかりませんが、

いい曲、また聴きたいと思える曲が

「Supernova」「花の名」「涙のふるさと」など、

皮肉なことに

シングル曲ばかり。


結局、

そのほかに

聴き所

といえる曲がないため、

一種のベストのような、

シングル曲の寄せ集め、

全体的にバラバラという

印象を受けます。


音の方でも、

不自然なコード進行を使っていたり、

七拍子が出てきたりと、

わかりやすくキャッチーなメロディが魅力の

Bump of Chickenとして聴くと

少々?な印象を受けます。


前作までは

そのメロディと歌詞とが非常にマッチして、

ストーリー、世界観が

すっ

と伝わってくる曲が

多々あったのですが、

本作ではほとんどない。


全17曲、

77分というボリュームもあり、

頑張らないと聴けない、

聴いていて疲れる、

というのが感想です。


結局、

シングル曲をすでに聴いている人は

あまり聴く必要がないかな、

という感じの1枚。



シングル曲を詰め込んだりせずに、

コンセプトを明確にして、

そのコンセプトにあう曲を作っていたら

すばらしい作品を作り上げてくれたような

気もするのですが…


いずれにしろ、

次に期待です。


★★☆☆☆

2008/01/13

[盤評] KAB. / 日吉, 散歩道

昨日書けなかったので、

本日は2枚ご紹介。


no image
日吉
posted with amazlet on 08.01.13
KAB. 西川進 十川知司
マクセル・イーキューブ (2000/11/01)
売り上げランキング: 33964


2000年の作品。


ジャンルはPop。


KAB.の1st。


散歩道
散歩道
posted with amazlet on 08.01.13
KAB. 西川進 十川知司
マクセル・イーキューブ (2001/09/20)
売り上げランキング: 67890


2001年の作品。


ジャンルはPop。


そしてこちらが2ndです。


この2枚、

非常にマイナーながら、

良い声、

良い歌詞、

良いメロディ、

と三拍子揃った素晴らしい名盤です。


特に歌詞が素晴らしい。


個人的には、

地元である日吉を歌った「日吉」の

「僕は今でもここにいるよ

 変わらずにいつもここにいる」

という一節と、

「散歩道」の

「僕がつけてきた足跡が

 この道にずっと残れば良い」、

そして「Long Vacation」という曲の歌詞が

お気に入り。


「Long Vacation」は

夢を求めて頑張っている若者を歌った曲で、

とても励まされる内容。


「笑われたって急ぐことなどない

 すべて自分で決めてきたことさ」

この一節が

とても印象的です。


両作品とも

発売されてからかなりの時間が経っていますが、

今でも聴き直すことがあるくらいに

好きな作品。


文句なしにお勧めできる

作品です。


Amazonの中古販売で

非常にお手頃価格で手に入るようなので、

是非一度聞いてみてください。


★★★★★+★!

2008/01/11

[盤評] KAB. / 向日葵

no image
向日葵
posted with amazlet on 08.01.11
KAB.
マクセル・イーキューブ (2002/03/21)
売り上げランキング: 220899



2002年の作品。


ジャンルはPop。


KAB.の3rd、

初期3部作の締めくくりです。


内容は

とてもPop。


KAB.の作品の中でも

一番Popではないでしょうか。


ほかの作品に比べると

少し印象が薄いというか、

聴き所が乏しい感じではありますが、

「屋上」「目黒川」「ごめんね。」と続く

ストーリーがあったり、

Popながらも切ない感じの「向日葵」「レール」が

あったりと、

実はなかなか粒揃な曲が入った

作品です。


「向日葵」の

「誰かと幸せでいると

 早く僕に教えろよ」

という一節、

この一節が

大好きです。


★★★★☆

2008/01/09

[盤評] KAB. / 「今」という時間

「今」という時間
「今」という時間
posted with amazlet on 08.01.09
KAB. 吉俣良 戸谷誠 皆川真人 織田ゆり子
マクセル・イーキューブ (2003/05/21)
売り上げランキング: 252524


2003年の作品。


ジャンルはPop。


今後紹介する予定の

初期3部作に続いて、

活動休止に入る前に発表された

ミニアルバムです。


とはいっても、

この時期は

やや活動のペースが落ちていた頃。


その状況を反映してか、

「僕はなんて弱いんだろう」など、

どことなく心境を歌った曲が

多い気がします。


でも逆に、

この作品は

KAB.の作品の中でも

もっとも穏やかな時間が流れている、

そんな感じも受けます。


「君の涙を拭う指」のように

泣ける、のではなく

とても柔らかで

優しい感じ。


KAB.の作品の中では

少し異色という感じもしますが、

十分聴く価値はあります。


★★★★☆

2008/01/07

[盤評] KAB. - 君の涙を拭う指

君の涙を拭う指
君の涙を拭う指
posted with amazlet on 08.01.07
KAB.
ユナイテッド・アジアエンターティメント (2007/11/28)
売り上げランキング: 21828




2007年の作品。


ジャンルはPop。


昨日もご紹介したKAB.の

最新作。


これまでの作品の中から、

「泣ける曲だけを選んだ」という

内容に、

新録・新曲を加えた

ベスト盤です。


Kab.の魅力の1つは

歌詞がきれいなところ

というのは昨日も書いたとおりですが、

この作品に収められている曲は

本当にどれも良い。


歌のストーリー、

曲の世界観がとても鮮明で、

ただ何となく聴いているだけでも

情景が浮かんでくる。


泣ける曲を集めた、

というのも伊達ではなく、

「ごめんね。」や「君の嘘」のように

切ない曲もあり、

「本当は泣きたいくせに」「カレーライス」といった

代表曲もしっかりあって、

かなり良い作品になっていると思います。


泣きたいときには

この1枚を。


★★★★★

2008/01/06

[盤評] KAB. / カナリヤ

カナリヤ
カナリヤ
posted with amazlet on 08.01.06
KAB.
ドリームタイムエンタテインメント (2007/01/24)
売り上げランキング: 78944



2007年の作品。


ジャンルはPop。


再開第1回目は、

個人的にとても大好きなアーティスト、

Kab.の作品を選んでみました。


このKab.というアーティスト、

2000年頃のデビューなのですが、

その後しばらくして体調を崩し、

活動を休止していたのです。


そして、その休止からの復帰作が

この作品。


美しいメロディラインと、

とてもきれいで

自然に体に染みてくるような

声と歌詞、

それがKab.の魅力。


先の作品から時間をおいた分、

雰囲気が少し変わった感じは受けるものの、

この作品でもそれは健在です。


特にタイトル曲「カナリア」の中の歌詞


この白いベッドの中

すべてが終わると思ってた

歌を忘れたカナリアは

閉ざされた暗闇の中


という部分は、

まるで自身のことを歌っているかのようで、

とても印象深い一節。


日本語のPopを聴く方には

是非聴いてもらいたい

一枚です。


★★★★☆

[盤評]再開

時はすでに2008年、

気付けば先のポストから

約半年ぶりの

ポストです。


ちょうどこの頃

リアルの方で少し環境の変化があり、

精神的なストレスか何かのためか、

BlogやSNSなど

ネットを使う気力すら出ない時期が

続いていたのです。


ですが、新年を迎え、

ここは心機一転、

[盤評]を再開させていこうと思います。


2008年の目標は「継続」。


マイペースに、

できる限りやっていきますので、

おつきあいくださいませ。